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膝の内側からふくらはぎの内側にかけてビリビリ、ジンジンとした痛みやしびれが続いている場合、「伏在神経痛(ふくざいしんけいつう)」が関わっている可能性があります。坐骨神経痛という言葉はよく耳にされると思いますが、伏在神経は大腿神経(だいたいしんけい:太ももを支配する神経)の枝の一つで、膝の内側から下腿内側・足首の内側まで感覚を伝える神経です。「整形外科でレントゲンを撮っても異常なし」「膝の内側の痛みがなかなか改善しない」という方の中に、この伏在神経への圧迫や刺激が原因として隠れているケースが少なくありません。この記事では、伏在神経痛の原因から症状の見分け方、セルフチェック、ご自宅でできるセルフケアまで順を追ってご説明します。
伏在神経とは?膝内側の痛みとのつながり
伏在神経は、腰から出た大腿神経がひざの内側付近でハンター管(内転筋管)という筋肉のトンネルを通り抜けた先に続く感覚神経です。この神経が圧迫・牽引・炎症などによって刺激されると、膝内側から下腿の内側面にかけてピリピリ・ジンジンとした痛みやしびれが生じます。
伏在神経痛の主な原因は以下の3つに整理できます。
1. ハンター管での絞扼(こうやく)
大腿部の内転筋(内ももの筋肉)が硬くなると、神経が通るトンネルが狭くなり、神経が締め付けられます。長時間のデスクワークや股関節を内側に向ける習慣(内股姿勢など)が続くと、この絞扼が生じやすくなります。
2. 膝周囲での神経の癒着・牽引
膝の内側には伏在神経の終末枝が皮膚のすぐ下を走っています。変形性膝関節症(ひざ関節の軟骨がすり減る状態)や膝の手術後の瘢痕(はんこん:傷跡の組織)、脂肪体の炎症などによって神経が周囲の組織に癒着し、動くたびに引っ張られて痛みが生じるケースがあります。
3. 腰椎由来の大腿神経根の障害
第3〜4腰椎(L3・L4)の椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症が大腿神経の根元を圧迫すると、その枝である伏在神経の支配領域にも症状が現れることがあります。この場合は腰痛を伴うことが多く、原因の場所は膝ではなく腰にあります。
症状の出方で読み解く|どの動作・時間帯で強くなるか
伏在神経痛は、症状が出るタイミングや動作によって、原因の場所や状態が異なります。ご自身の症状がどのパターンに近いかを確認してみてください。
| 症状が出るタイミング・動作 | 考えられる状態・原因 | そうなる理由 |
|---|---|---|
| 長時間座った後、立ち上がり直後に膝内側がしびれる | ハンター管での伏在神経絞扼 | 座位で股関節が屈曲・内転し、内転筋がトンネルを締め付けている状態が続くため |
| 歩き始めの数分間だけ膝内側がビリビリし、歩き続けると軽減する | 神経周囲の軽度な癒着または血行障害 | 動き始めに神経が引っ張られるが、血流が改善されると軽減することが多い |
| 夕方〜夜に痛みやしびれが強くなる | 筋疲労による神経圧迫の増大 | 日中の活動で内転筋・縫工筋(ほうこうきん:太ももを斜めに走る筋肉)が疲労し、筋緊張が高まって神経を締め付ける圧力が夕方に最大になるため |
| 朝起きた直後は症状が少なく、活動量が増えると悪化する | 運動や姿勢負荷による神経炎症 | 神経周囲の炎症が動作刺激によって高まるパターン |
| 階段を降りるとき・膝を深く曲げると膝内側に鋭い痛みが走る | 膝周囲での神経終末枝の牽引または癒着 | 膝屈曲時に皮下の神経枝が伸ばされて刺激される |
| 腰〜太もも前面にも症状があり、膝内側の症状と重なる | L3・L4神経根障害(腰椎由来) | 大腿神経の根元が腰椎で圧迫されており、その枝である伏在神経にも症状が波及している |
| 片側だけに症状がある | 局所的な絞扼・癒着・腰椎の片側障害 | 左右差がある場合、姿勢の偏りや片側の筋拘縮が原因のことが多い |
| 両側に症状がある | 腰椎の中央性病変・全身的な末梢神経障害 | 両側の場合、腰椎の中央でのヘルニアや狭窄、あるいは糖尿病性末梢神経障害なども念頭に置く必要がある |

両側に症状がある場合や、排尿・排便の異常を伴う場合は、速やかに整形外科または神経内科を受診されることをお勧めします。
自分でできるセルフチェック|伏在神経痛かどうかを確認する
チェック1:ハンター管圧迫テスト
大腿部内側の中央やや上(太もも内側の真ん中あたり)を、親指で3〜5秒ゆっくり押してみてください。この部位がハンター管の入口に相当します。
手順
- 椅子に座り、膝を90度に曲げてリラックスした状態にする
- 右手の親指を右太もも内側の中央(鼠径部と膝の中間点)に当てる
- やや深め(筋肉に届く程度)にゆっくり圧を加え、5秒保持する
判定の目安
押した部位に「ジーン」とした鈍い放散痛(ほうさんつう:押した場所から別の場所に広がる痛み)が膝内側や下腿内側に向かって広がる場合、伏在神経の絞扼が関与している可能性があります。健側(症状のない側)と比較して左右差があれば、さらに可能性が高まります。
チェック2:膝内側叩打テスト(ティネルサイン)
ティネルサイン(Tinel's sign)とは、障害された神経の走行上を軽く叩くと、その神経の支配領域にピリピリ・電気が走るような感覚が誘発されるかどうかを確認するテストです。
手順
- 膝を軽く伸ばした状態で座る
- 膝の内側(内側膝蓋支帯:ひざのお皿の内側)のやや下あたりを、人差し指の第二関節でトントンと3〜4回軽く叩く
- 叩いた場所からすねの内側・足首の内側に向かって電気が走るような感覚が出るかどうかを確認する
判定の目安
叩いた瞬間に膝下内側〜足首内側へ電気感・ビリビリ感が走る場合は、膝周囲での伏在神経終末枝への刺激が疑われます。痛みが強くなる場合は深追いせず、すぐに整形外科の受診をご検討ください。
ご自宅でできるセルフケア3選
セルフケアを継続することで、症状の軽減が期待できます。ただし、痛みが強い急性期には無理に行わず、症状が落ち着いた状態で取り組んでください。
1. 内転筋リリース(タオルロールを使ったセルフマッサージ)
内転筋群の緊張をほぐし、ハンター管への圧迫を軽減することを目的とします。
やり方
- バスタオルを硬めにロール状に丸め、太もも内側の中央(ハンター管のあたり)に当てる
- うつ伏せになり、丸めたタオルを太もも内側に挟み込むように体重を少しずつかける
- 強い痛みが出ない範囲で、圧を加えたまま膝を10〜15度ゆっくり曲げ伸ばしを繰り返す
- 1か所につき30秒、1日2〜3セット行う
ポイント
電気が走るような鋭い痛みが出た場合はすぐに中止してください。「気持ちよい程度の圧迫感」が目安です。
2. 腸腰筋(ちょうようきん)ストレッチで腰椎への負荷を軽減する
腸腰筋(股関節を前に引き上げる筋肉)が硬くなると、腰椎の前弯(腰の反り)が強まり、大腿神経根への圧力が高まります。この筋肉をゆるめることで腰椎由来の伏在神経への影響を軽減する効果が期待できます。
やり方
- 右膝を床についた半跪(はんき)姿勢(ランジの姿勢)をとる
- 上体をまっすぐに保ちながら、骨盤を前方にゆっくり押し出す(腰を反らせず、下腹部を軽く締めた状態で行う)
- 右股関節の前面〜太もも前面に伸びる感覚を確認しながら、20〜30秒キープ
- 左右各3セット、1日2回行う
ポイント
腰を反らせると神経への圧迫が増すことがあるため、骨盤をニュートラル(前後どちらにも傾けない)に保つことが重要です。
3. 神経フロッシング(伏在神経のモビリゼーション)
神経系へのアプローチの一つとして、「神経フロッシング(神経の滑走性を高める動き)」があります。癒着した神経を周囲の組織との間でスムーズに動かすことで、引っ張られる刺激を軽減することが期待できます。
やり方
- 仰向けになり、膝を立てた状態から始める
- 右足の膝をゆっくり伸ばしながら、同時に足首を内側に向け(内反)、つま先を自分の方に向ける(背屈)
- 膝が完全に伸びたところで1〜2秒停止し、ゆっくり元の姿勢に戻す
- 「ビリビリが増す程度」まで行わず、伸びる感覚が出る範囲で10回×1日2セット行う
ポイント
強い電撃痛が出る場合は中止し、整形外科または当院にご相談ください。
やってはいけないこと|症状を悪化させる行動
1. 膝内側を強くもみほぐす
伏在神経の終末枝は膝内側の皮下のごく浅い場所を走っています。強い圧力でもみ続けると、神経自体やその周囲の組織に炎症が加わり、症状が悪化することがあります。セルフマッサージは「押した圧が自然にじわっと広がる程度」にとどめてください。
2. 痛みを我慢して長時間のウォーキングを続ける
「歩けば筋肉がほぐれるはず」と考えてウォーキングを長時間続けると、内転筋や縫工筋の疲労が蓄積し、ハンター管内の圧力が高まります。歩行時に症状が増す場合は、1回30分以内を目安にし、痛みが出たらその日は休息をとることが大切です。
3. 内股・あぐら・横座りを長時間続ける
股関節を内側に向ける姿勢(内転・内旋位)は、ハンター管の内側面に神経を押し付ける方向に働きます。座るときは両膝が正面を向くよう意識し、1時間に1回は立ち上がって姿勢をリセットする習慣をつけてください。
受診の目安|こんな症状があれば早めに整形外科へ
セルフケアで対応できる範囲には限界があります。以下のいずれかに当てはまる場合は、自己判断でのケアを優先せず、整形外科または神経内科を受診してください。
- 太ももや膝まわりに「力が入らない」「膝折れする」など筋力低下・脱力感がある
- 安静にしていても痛みやしびれが続き、2〜3週間経っても改善の兆しがない
- 両足に同時に症状が現れた、または症状の範囲が急に広がった
- 排尿・排便のコントロールに変化が出てきた(我慢できない、出にくいなど)
- 発熱・体重減少・夜間の激しい痛みを伴う
- 外傷(交通事故・転倒・打撲)の後から症状が始まった
日本整形外科学会が公開している診療ガイドラインでも、神経学的異常(脱力・感覚消失・反射異常)を伴う場合は精密検査が必要とされています。「しびれるだけだから」と放置せず、早めの受診を検討してください。
よくある質問
伏在神経痛は何科を受診すればよいですか?
まずは整形外科の受診をお勧めします。画像検査(MRIなど)で腰椎や膝関節の状態を確認してもらい、原因を特定することが最初のステップです。腰椎由来が疑われる場合は神経内科への紹介が行われることもあります。症状の場所が膝内側のみに限定されており、骨・関節に問題がないと診断された場合は、神経系への専門的なアプローチを検討するとよいでしょう。
市販の湿布や痛み止めは伏在神経痛に効きますか?
湿布(外用消炎鎮痛剤)や内服の痛み止めは、炎症が強い急性期に症状を一時的に和らげる効果が期待できます。ただし、神経への圧迫や癒着という根本的な原因に直接働きかけるものではないため、長期的な改善には運動療法や姿勢の改善を並行して行うことが重要です。2週間以上使用しても改善しない場合は、医師に相談してください。
放置するとどうなりますか?
伏在神経への圧迫・刺激が長期間続くと、神経の感度が変化して慢性的な痛み(中枢性感作:脳が痛みに過敏になる状態)に移行するリスクがあります。また、痛みをかばう歩き方が続くことで膝関節や腰椎への負担が増し、二次的な障害が生じることもあります。「しびれる程度だから」と1か月以上放置するのは避け、早めにセルフケアを始めるか医療機関への受診を検討してください。
セルフケアを2〜3週間継続しても症状が改善しない場合や、どのアプローチから始めればよいか迷われている場合は、ぜひ当院の神経系ストレッチプログラムにご相談ください。久留米・田主丸エリアだけでなく、福岡県那珂川市など遠方からもご来院いただいています。
神経系ストレッチ(神経整体)の概要
神経系ストレッチ(神経整体)は、ストレッチトレーナー兼子ただし氏が考案した、神経の滑走性を改善することで痛みや可動域制限を根本から解消する施術法です。
従来の筋肉へのアプローチだけでなく、神経の動きそのものを改善することで、慢性的な痛みや神経痛に対して高い効果を発揮します。
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神経系ストレッチ福岡久留米(田主丸整骨院内)
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