肋間神経痛は、ストレッチで軽くなるケースと、ストレッチをしてはいけないケースがはっきり分かれます。まず見分け方を確認してから、寝ながらできる方法を試してください。この記事では、どんなときに効くのか・どんな動きを避けるべきか・どこからは医療機関に行くべきかまでを整理しています。

肋間神経痛とは|肋骨に沿って走る痛み

肋間神経は、背骨から出て肋骨の下側に沿って前へと回り込む神経です。この神経が刺激されると、肋骨に沿った線状の痛みや、ピリッと走るような痛みが出ます。

特徴的なのは、痛む場所が「面」ではなく「帯」であることです。背中から脇腹、胸の前へと、1本の線をなぞるように痛みが出る場合、肋間神経が関係している可能性があります。

  • 深呼吸・咳・くしゃみで痛みが強くなる
  • 体をひねる、横に倒すと痛む
  • 同じ姿勢が続いた後に痛みが出る
  • 押すと痛い場所が肋骨に沿って線状にある

症状の出方による見分け方|ストレッチが向くケース・向かないケース

同じ「肋骨まわりの痛み」でも、原因によって対応が変わります。まずご自身がどれに当てはまるかを確認してください。

状態判断説明
姿勢や動作で痛みが変わるストレッチが向く可能性が高い前かがみやデスクワークが続いた後に出る、動かすと痛みの強さが変わる
帯状の発疹・皮膚のヒリつきがあるストレッチ不可帯状疱疹の可能性。皮膚科・内科へ
安静にしていてもズキズキ痛むストレッチ不可骨折・内臓の問題の可能性。医療機関へ
息苦しさ・冷や汗・締めつけ感を伴うすぐ受診心臓・肺の疾患の可能性。救急受診を検討
転倒・打撲の後から痛むストレッチ不可肋骨骨折の可能性。整形外科へ

姿勢や動作によって痛みの強さが変わる場合は、神経の通り道が窮屈になっていることが関係している可能性があり、ストレッチで軽くなることがあります。逆に、動きと関係なく痛む場合は別の原因を疑う必要があります。

セルフチェック|30秒でできる確認

椅子に座った状態で、次の3つを確認してみてください。

  1. ゆっくり深呼吸をする/息を吸い切ったときに痛みが強くなるか
  2. 痛む側と反対に、体をゆっくり倒す/脇腹が伸びる位置で痛みが変化するか
  3. 痛む側の腕を上げる/腕を上げると痛みが変わるか

これらで痛みの強さが変わる場合、動きに関係した痛みである可能性があります。まったく変化がない、あるいは動かさなくてもずっと同じ強さで痛む場合は、この記事のストレッチは行わず医療機関にご相談ください。

寝ながらできる肋間神経痛のストレッチ3種

いずれも痛みが出ない範囲で行ってください。「伸びている」と感じる程度で十分です。強く伸ばすほど効果が上がるものではありません。

1. 横向きで脇腹を開く(もっとも負担が少ない)

  1. 痛む側を上にして横向きに寝る
  2. 下側の腕は前に伸ばし、枕で頭を支える
  3. 上側の腕を、頭の方向へゆっくり伸ばす
  4. そのままゆっくり息を吸い、脇腹を膨らませるイメージで5秒
  5. 息を吐きながら力を抜く。これを5回

肋骨の間を広げながら呼吸を入れることで、肋間の動きを取り戻していきます。痛みが出る手前で止めるのがポイントです。

2. 仰向けで両膝を倒す(背中側をゆるめる)

  1. 仰向けに寝て、両膝を立てる
  2. 両腕は肩の高さで横に広げる
  3. 両膝をそろえたまま、ゆっくり片側へ倒す
  4. 倒した状態で3〜5回、静かに呼吸する
  5. 戻して反対側も同様に。左右2回ずつ

背骨のねじれを取ることで、背骨から出てくる部分での神経の窮屈さをゆるめます。肩が浮くほど強く倒さないでください。

3. 仰向けで腕を頭上に滑らせる(神経の滑走を促す)

  1. 仰向けに寝て、両膝を立てる
  2. 痛む側の腕を、床に沿わせたままゆっくり頭上へ滑らせる
  3. 伸びを感じるところで止め、2〜3回呼吸
  4. ゆっくり戻す。5回繰り返す

腕を動かすことで、胸郭から腕へ向かう神経の通り道に動きを与えます。しびれが強くなる場合はすぐ中止してください。

やってはいけないこと

  • 痛みを我慢して伸ばす/神経は強く引っ張ると余計に過敏になります
  • 反動をつける/勢いをつけた動きは刺激が強すぎます
  • 痛む場所を強く押す・揉む/炎症がある場合は悪化させます
  • 発疹がある状態で行う/帯状疱疹の可能性があります
  • 毎日長時間行う/1回5〜10分程度で十分です

医療機関の受診が必要なサイン

次のいずれかに当てはまる場合は、ストレッチではなく医療機関の受診を優先してください
・胸の締めつけ感、息苦しさ、冷や汗を伴う
・皮膚に帯状の発疹やヒリつきがある
・転倒や打撲のあとから痛みが続いている
・発熱を伴う
・安静にしていても痛みが変わらない、夜間に悪化する
・急に力が入らない、感覚が鈍い部分がある

肋骨まわりの痛みは、心臓・肺・消化器の疾患が原因のこともあります。動きと関係なく痛む場合ほど、自己判断を避けてください。

ストレッチで改善しない場合

セルフストレッチを2週間ほど続けても変化がない場合、神経そのものの滑走性(すべり)が回復していない可能性があります。

神経は身体の動きに合わせて微細に伸び縮みしていますが、姿勢のくせや過去の炎症などでその動きが妨げられると、通常のストレッチでは届きにくい状態になります。当院では、神経系ストレッチ(神経モビライゼーション)という手技で、神経の通り道そのものを整えるアプローチを行っています。

手法の詳細は 神経モビライゼーションとは?、自宅でできる範囲のセルフケアは 神経系ストレッチのやり方 をご覧ください。

よくある質問

Q. どのくらいの頻度で行えばいいですか?

1日1〜2回、5〜10分程度で十分です。回数を増やすほど効果が上がるものではなく、かえって神経を過敏にすることがあります。

Q. お風呂上がりのほうがいいですか?

身体が温まっているときのほうが動かしやすいため、入浴後は適しています。ただし痛みが強い時期は無理をせず、痛みが落ち着いてから行ってください。

Q. どのくらいで変化を感じますか?

姿勢や動作に関係した痛みであれば、数日〜2週間程度で変化を感じる方がいらっしゃいます。ただし個人差が大きく、変化がない場合は原因が別にある可能性があります。

Q. 痛み止めを飲みながらでも大丈夫ですか?

服用中のお薬がある場合は、痛みを感じにくくなっていることがあります。「痛くないから大丈夫」と判断して強く伸ばすと悪化することがあるため、控えめに行ってください。

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神経系ストレッチは完全予約制です。ご都合の良い方法でご予約ください。

営業時間:9:00〜13:00/16:00〜20:00(日曜9:00〜15:00)
休診:水曜午後・木曜・祝祭日
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