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肩こりに悩んでいる方の中に、「首や肩を揉んでも一時的にしか楽にならない」「ストレッチをしても翌日にはまた元に戻る」と感じている方は少なくありません。実は、そのしつこい肩こりの原因が舌骨筋群(ぜっこつきんぐん)にあるケースがあります。舌骨筋群は喉の奥に位置する筋肉群で、姿勢や呼吸、さらには肩甲骨の動きと深くつながっています。今回は、見落とされがちな舌骨筋群と肩こりの関係を中心に、肩こりストレッチを含むセルフケアの具体的な方法までわかりやすく解説します。
舌骨筋群が引き起こす肩こりとは|原因をわかりやすく解説
舌骨筋群が緊張・短縮することで、頸部(首)の深部から肩にかけての筋肉連鎖が乱れ、慢性的な肩こりを招くことがあります。
舌骨(ぜっこつ)とは、喉仏のやや上方にあるU字型の小さな骨で、ほかの骨と関節を作らない独特の構造を持っています。この骨を取り囲む舌骨筋群は、飲み込む・しゃべる・呼吸するといった日常動作に常に関与しています。
舌骨筋群と肩こりが結びつくメカニズム
舌骨筋群は大きく「舌骨上筋群」と「舌骨下筋群」に分かれます。舌骨下筋群の中でも肩甲舌骨筋(けんこうぜっこつきん)は、その名の通り肩甲骨と舌骨をつなぐ筋肉です。この筋肉が慢性的に緊張すると、肩甲骨の動きが制限され、肩周囲の筋肉(僧帽筋や肩甲挙筋など)に過剰な負担がかかります。
さらに、スマートフォンやパソコンを長時間使う際の「前傾頭位姿勢(頭が前に出た姿勢)」は、舌骨周囲の筋肉をつねに引き伸ばした状態にさらします。この持続的な伸張ストレスが舌骨下筋群の防御的な収縮を引き起こし、気づかないうちに首から肩への慢性的なこりへとつながっていくのです。
日本整形外科学会も、頸部の深部筋群の機能不全が肩こりの一因になりうると指摘しており、表層の肩の筋肉だけをほぐすアプローチでは根本的な改善に至らないことがあります。
時間帯・動作・部位で見分ける|あなたの肩こりはどのタイプ?
肩こりの原因は一つではありません。症状が現れる時間帯や動作によって、かかわりの強い原因が変わります。
| 症状の出方 | 考えられる主な原因 | なぜその状況で悪化するか |
|---|---|---|
| 朝起きた直後に首・肩が重い | 睡眠中の姿勢不良・枕の高さの不一致 | 長時間同一姿勢で頸部の血行が停滞するため |
| 夕方になると肩が重だるくなる | 舌骨筋群を含む頸部深部筋の疲労蓄積 | 日中の会話・嚥下(飲み込み)・デスクワークの積み重ねで舌骨周囲筋が疲弊するため |
| パソコン作業中・スマホ操作中に悪化 | 前傾頭位による肩甲舌骨筋の持続緊張 | 頭が前に出ると頸部にかかる負荷が増大(頭部重量の約2〜3倍の力がかかるとされる)するため |
| 安静にしていても肩から後頭部にかけて痛む | 頸部神経への刺激・深部筋の持続収縮 | 筋肉の緊張が血管・神経を圧迫し続けるため |
| 片側だけ肩が凝る・首の片側が張る | 利き手側への偏った使い方・噛み癖・寝癖 | 筋肉の左右差が特定の筋肉を過負荷にするため |
| 両側の肩が同時に凝る | 姿勢全体の問題・自律神経の影響 | 全身の姿勢バランスが崩れ、両側の筋肉に均等なストレスがかかるため |

舌骨筋群が関与するタイプは特に「夕方の悪化」と「デスクワーク中の悪化」のパターンに当てはまる方に多く見られます。夕方に悪化しやすいのは、一日を通じて声を出す・食事をする・パソコンを見るという動作が積み重なり、舌骨周囲の筋肉が疲労の限界に達するためです。
セルフチェック|舌骨筋群が関与する肩こりの見分け方
喉の前面を軽く触れながら肩の動きを確認することで、舌骨筋群の関与を確認する参考にできます。
チェック1:嚥下(飲み込み)時の肩こり変化テスト
手順
- 椅子に座り、できるだけ背筋を伸ばした状態で正面を向きます。
- 肩や首の現在のこり感・重さを1〜10で評価しておきます。
- ゆっくりと唾液を2〜3回飲み込んだ直後、肩や首のこり感が変化しないか確認します。
判定の目安
飲み込んだ瞬間に首の奥や肩のつけ根に軽い引きつれ感・違和感が生じる場合、舌骨周囲筋が過緊張している可能性があります。
チェック2:肩甲舌骨筋触診テスト
手順
- 正面を向いた状態で、親指と人差し指で鎖骨の内側上縁(首のつけ根に近い部分)をやさしく触れます。
- その状態でゆっくり首を左右に傾けます。
- 健側(こりのない側)と患側(こりのある側)で硬さ・圧痛に差があるか確認します。
判定の目安
片側だけ明らかに硬く、圧迫すると肩の奥まで響くような鈍痛がある場合は、肩甲舌骨筋の緊張が関与している可能性があります。あくまでセルフチェックの参考ですので、痛みが強い場合は圧迫を中止してください。
肩こりストレッチとセルフケア方法|3つのアプローチ
舌骨筋群が関与する肩こりには、表面の筋肉だけでなく、深部の筋肉・神経系・呼吸パターンに働きかけるアプローチが効果的です。
アプローチ1:舌骨下筋群をゆるめる「あご引きストレッチ」
目的:前傾頭位を矯正し、舌骨下筋群と頸部深部筋への過剰な緊張を軽減する。
やり方
- 椅子に浅く腰かけ、坐骨(おしりの骨)で座面を押すように背骨を縦に伸ばします。
- 両手を太ももの上に置き、肩の力を抜きます。
- 顎を引くのではなく「頭を真後ろに水平に引く」イメージで、後頭部を壁に近づけるように動かします(顎が上がらないよう注意)。
- その状態を10秒キープ。自然な呼吸を止めないようにします。
- ゆっくり元の位置に戻します。
回数・頻度: 1セット10秒を5回繰り返し、1日3セット(朝・昼・夕方が目安)行います。
アプローチ2:肩甲骨を意識した「肩回しリセット体操」
目的:肩甲骨の動きを取り戻し、肩甲舌骨筋を含む周囲筋のバランスを整える。
やり方
- 両手を肩の上に置き(指先が肩に触れている状態)、肘で大きな円を描くように後ろ回しにします。
- できるだけ大きくゆっくり動かし、肩甲骨が背骨に寄るタイミングを意識します。
- 後ろ回し10回、前回し10回を1セットとします。
回数・頻度: 1日2〜3セット。デスクワークの合間に1時間ごとに行うと、筋肉の疲労蓄積を防ぎやすくなります。
アプローチ3:横隔膜呼吸(腹式呼吸)で神経系へアプローチ
舌骨周囲の筋肉は自律神経とも密接な関係があります。浅い胸式呼吸が続くと頸部補助呼吸筋(斜角筋など)が過剰に働き、舌骨筋群の緊張にも影響します。
やり方
- 仰向けに寝て、両膝を立てます。片手をお腹、もう片手を胸の上に置きます。
- 鼻から4秒かけてゆっくり吸い、お腹(みぞおちより下)が膨らむことを確認します(胸の手はなるべく動かない)。
- 口から6〜8秒かけてゆっくり吐きます。お腹がしぼむのを感じながら、肩の力が抜けていくイメージを持ちます。
回数・頻度: 1回5〜10呼吸を1日2回(朝起きた直後・就寝前)行います。神経系への働きかけを意識することで、慢性的な筋肉の過緊張の軽減が期待できます。
やってはいけないこと|悪化させる行動3つ
1. 痛みが強い部位を強く揉む・叩く
肩こりを感じると強い刺激でほぐしたくなりますが、炎症が起きている筋肉や神経を強く圧迫すると、防御反射として筋肉がさらに収縮し、翌日に症状が強くなることがあります。特に舌骨周囲や頸部の筋肉は繊細な神経・血管が密集しているため、強圧は避けてください。
2. 首を勢いよく「バキッ」と鳴らす
首を急激に回したり引っ張って音を鳴らす行為は、頸椎(首の骨)の関節や椎間板(骨と骨の間のクッション)に瞬間的な強い力がかかります。これを繰り返すと関節の不安定性が増したり、神経や血管を傷める可能性があります。一時的に楽に感じても根本的な改善にはつながりません。
3. 長時間スマートフォンを下向きに操作し続ける
前傾頭位が持続すると、頭部の重量(成人平均約4〜5kg)に加えて頸部の筋肉が支える負荷が増大します。30度前傾するだけで約18kgの負荷がかかるとされる研究報告があります(米国脊椎外科学会関連誌の報告)。舌骨下筋群がこの姿勢で慢性的に引き伸ばされた状態に置かれると、筋肉はやがて防御的に短縮・硬化します。
受診の目安|こんな症状は医療機関を受診してください
次のような症状がある場合は、セルフケアを中止して早めに整形外科や神経内科を受診することをお勧めします。
- 手や腕に強いしびれ・脱力が突然現れた
- 箸が持ちにくい・ボタンが止められないなど手の細かい動作がしにくくなってきた
- 歩行時にふらつく・足がもつれる感覚がある
- 排尿・排便のコントロールが難しくなってきた
- 安静にしていても夜間に首・肩・腕の痛みで眠れない日が1週間以上続く
- 発熱・体重減少・強い倦怠感を伴う首・肩の痛みがある
- 交通事故や転倒など明らかな外傷の後から症状が始まった
これらは頸髄(脊髄の首の部分)の圧迫・損傷、感染症、腫瘍性疾患など、早期に医療処置が必要な疾患のサインである可能性があります。
よくある質問
肩こりで受診するなら何科がよいですか?
まず整形外科を受診することをお勧めします。頸椎(首の骨)の状態をレントゲンやMRIで確認し、神経圧迫や骨の変形がないかを調べることが最初のステップです。頭痛や自律神経症状が強い場合は神経内科、食いしばりや噛み合わせが気になる場合は歯科・口腔外科へのご相談も選択肢になります。
市販の湿布や痛み止めは肩こりに効きますか?
一時的な痛みの軽減には役立つことがあります。ただし、舌骨筋群の緊張のような深部の筋肉の問題が原因の場合、湿布の成分が十分に届きにくいこともあり、根本的な解消には至らないケースがあります。1〜2週間使用しても改善が見られない場合は、原因の精査をお勧めします。
セルフケアで改善するまでどのくらいかかりますか?
生活習慣の見直しとセルフケアを毎日継続した場合、姿勢由来の肩こりであれば2〜4週間で変化を感じ始める方が多いです。ただし、症状の重さや継続期間、生活環境によって個人差があります。1か月続けても改善が感じられない場合は、専門家への相談を検討してください。
セルフケアを続けても改善が思わしくない場合や、症状が複合的で判断に迷う場合は、当院の神経系ストレッチプログラムにお気軽にご相談ください。久留米・田主丸エリアをはじめ、福岡県筑前町からもご来院いただいている方のお力になれれば幸いです。
神経系ストレッチ(神経整体)の概要
神経系ストレッチ(神経整体)は、ストレッチトレーナー兼子ただし氏が考案した、神経の滑走性を改善することで痛みや可動域制限を根本から解消する施術法です。
従来の筋肉へのアプローチだけでなく、神経の動きそのものを改善することで、慢性的な痛みや神経痛に対して高い効果を発揮します。
神経の痛み・しびれでお悩みなら
坐骨神経痛や手足のしびれなど、神経系の不調は早めのケアが大切です。当院の「神経系ストレッチプログラム」では症状の根本原因にアプローチし、日常生活の負担軽減をサポートします。
神経系ストレッチ福岡久留米(田主丸整骨院内)
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